スタンフォードのストレスを力に変える教科書【書評】

エッグの書評

ー考え方を変えれば、人生が変わる

2015年11 月刊行




この本は、科学的な観点からストレスについて、
捉え方や向き合い方を書いています。

「ストレス解消」ってよくいいますが、
これはいいことをする意味で使ってますよね。

とすると、ストレスは「よくないもの」という前提があります。
「ストレスは万病の元」みたいな。

そもそもストレスとは何なのでしょうか。

わたしたちは、小さなイライラから深刻な精神の問題などまで、
広い意味のことを何でもひとくくりに「ストレス」と呼んでいます。

この本では、
「ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるものである」
をいう一つの考え方を示しています。

これは、
「ストレスと意義とは密接な関係にある」ということで、
自分にとってどうでもいいことにはストレスと感じない、
と書いています。


なるほど…

ということは、
自分にとって大切なことは、
ストレスの中に潜んでいるということなのか。
ふむふむ。

だったら「ストレス」って、自分にとって
大事なものじゃないのかなぁ。


ではなぜ、ストレスが有害とされたのでしょうか。

1936年ハンス・セリエさんという人がラットを使って
ストレスの研究をしていました。

その研究でラットにかけていた強いストレスとは、

・突然何度も容赦なく電気ショックをかけられる
・次に水の入ったバケツに投げ込まれて、溺れそうになるまで泳がされる
・そしてケージの中に一人で閉じ込められる、
 または大勢のネズミと一緒に少ないエサを奪い合う
というようなものだそうです。

こういったラットは免疫不全になり死んでしまいました。(でしょうね…)

ラットちゃんが気の毒でならないTT

ひどくないですか?

正直、これは拷問とか、暴力とかですね。
こんな状況に日常にいる人っているのか?? やばいでしょ。

そしてこのラットの実験が「人間のストレス」へ飛躍し、
ハンスさんがこうした「ストレスの科学」の普及活動に励み、
一般的な思考にまで影響が広がったということなのだそうです。

この事実を知っている人たちが、どれだけいるでしょう?
このことを知るだけでも、
「ストレスが悪」をいう思い込みを改められるのでは
ないでしょうか。

その思い込みは改め直したほうがいいと思います。

強度のストレスを受けていた人たちの中で、
「ストレスは健康に悪い」と思っていた場合、
死亡リスクが高まったのだそうです。

しかも、強度のストレスを受けていた人たちの中で、
そう「思っていなかった」人たちはそのリスクが低く、
さらに、ストレスがほとんどない人たちよりも
死亡リスクが低かったのだそうです。

そしてそして。
「ストレスは役に立つ」と思うと実際そうなるそうなのです。
考え方で、ストレスホルモンの分泌が変わるというのです!
これは科学的な証拠となりますね。


「物事についてどう考えるかによって、受ける影響は変化する」

プラセボ効果や、「病は気から」という概念も
これに当てはまるのではないでしょうか。

さらに、ストレスの欠如は人を不幸にするとも書いています。
退屈は死亡リクスを高めるのだそうです。


わたしの自身のことですが、

本番にとても弱く、とても緊張しいで
フルートを吹いていますが、
演奏会の時などはいつも体が固まってしまい、いつものように吹けません。
怖いのです。
なので、緊張しても最低限吹けるように、日頃からきちんと練習しています。

これって、ストレスの効能じゃない??

また不安障害的な症状が数年前からあって、
それまではろくに運動していませんでしたが
今は毎日ウォーキングしたり、ラジオ体操したり、自転車に乗ったり
動いて体に良さそうなことに取り組んでいます。

これもストレスの効能??

とか思ったりします。

だって、めんどくさいな〜と思うことでも、
積極的にやろうという気持ちが湧いてくるのですから笑





著者プロフィール

ケニー・マクゴニガル 氏
スタンフォード大学で博士号(心理学)を取得。
スタンフォード大学の健康心理学者。