ギリシャ料理のレストランで、太陽とレモンの午後。

2025.8.1

銀座のビルの高層階で、空間に風が抜けていくような時間を過ごした。

むき出しの天井と、緑を飾った大理石のカウンター。ラフなのに、ちゃんと整ってる。
そこで出てきたのは、静かに香るギリシャ料理だった。

前菜のイエローインゲン豆のフムスとピタブレッド。スマック（香辛料）の効いた豆のディップは、ふんわりと淡くて、それをピタパンにのせていただく。味は濃くない。塩も抑えめ。だけど、あとからじわじわ広がってくる。
…スパイスが静かに、香りだけで存在感を出してる。

メインは、BBQチキンのゴマペースト添え。焼き目の香ばしさと、クミンのような香り。酸味はほとんどなくて、どこかやさしい異国って感じがした。付け合わせのベビーポテトは、これはもう、香りと食感のごちそうだった。外はカリッと、中はほくほく。塩じゃない。ハーブオイルで食べさせてくる。

デザートのレモンパイは、見た目はきれいに絞った焼きメレンゲのオブジェ。だけど、サクサクのパイの中に隠れてるレモンクリームが、すごく、レモン。これに顎下腺を刺激されて、ぎゅ〜っと痛くなったw

強さはないけど、香りがはっきりと記憶に残る料理だった。味覚より嗅覚に寄せたギリシャ料理。

📍THE APOLLO（アポロ）

銀座・東急プラザ11F
味はひかえめ。空間は大胆。
静かに効かせてくるのは、香りのスパイス。