二級建築士【製図】独学
平面図 書き方 コツ[木造]



・平面図の書き方を知りたい。効率的に書いていくにはどうしたらいいの?

・できるだけ早く書けるようになりたい。時間短縮するにはどうしたらいいの?


図面の中でも一番時間がかかる平面図。できる限り効率よく書いていきましょう。

○その前にまだ読んでいない方は、下記のおすすめの本を読んでみてくださいね。

二級建築士設計製図試験 最端エスキース・コード / 神無 修二 先端製図.com 著


平面図のムダな線は極力省く

これまで学校で教わったこと、常識的にやっていたことは一旦忘れてください。以下の通りに進めていきます。

  1. 基本線(一本線)は引かずに、二重線(壁の厚みを考慮した細線)で書く
  2. 縦線を引くのにテンプレートを使う
  3. 開口部の柱の片方の線を太線で、建具を中くらいの太さで書く(フリーハンドでもOK)
  4. 壁を太線で書く
  5. 通し柱に○を書く
  6. 階段(およびエレベーター)を書く
  7. 家具・什器類を書く
  8. 外構を書く
  9. 寸法線と寸法を書く、部屋名を書く、耐力壁を書く
  10. バリアフリーに適応した表現は覚えておく
  11. (重要)部分詳細図(矩計図)・断面図の切断面は、簡単に書ける場所を選ぶ
  12. (かなり重要)練習中にみたことのない問題が出てきても慌てずに、それらしく書く


では解説です。

1 基本線(一本線)ではなく、二重線(壁の厚みの線)でいきなり書く
まずは、定規で測らずに二重線(1.5mm幅の線、壁の厚みですね)が引けるように練習してください。太さはそこまで厳密でなくても大丈夫です。何度か書いていれば書けるようになります。

そして基本線を、二重線(細線)で書いてしまいましょう。基本線を引いてから、また壁厚の線を引くのはムダなのです。細線はシャーペンを寝かせて、太線は立てて書きます。

※シャーペンは、0.5mmを1本だけ使います。持ち替えはしません。(予備のシャーペンは必ず用意しておくこと。途中でなくすかもしれないし、壊すかもしれないのです。消しゴムも同様に必ず予備を持ちましょう)

2 縦線を引くのにテンプレートを使う
持ち替える手間を省くために、縦線は三角定規ではなくテンプレートで引きましょう。

3 開口部の柱の片方の線を太線で、建具を中くらいの太さで書く。(フリーハンドでもOK)

フリーハンドと定規をうまい具合に使い分けましょう。上手にかければフリーハンドでも大丈夫です。速いほうで。わたしはこの柱の線はフリーハンドで、建具はテンプレートで書きました。

4 壁を太線で書く
開口部以外の壁の線を太線で書いていきます。(下の図の赤い線)

線にコントラストができると、きれいな図面に見えます。壁・柱は太線、建具・什器などは中くらいの線、タイルや屋根表現はもう少し細い線で書きます。


5 通し柱に○を書く
1階と2階の図面に、通し柱の○を書きます。1階と2階の位置がずれていないか、確認しましょう。重要です。細かいことですが、この丸の大きさも決めておきます。耐力壁の△も同様に。

6 階段(およびエレベーター) を書く
階段(およびエレベーター)の表現は完璧に覚えましょう。


7 家具・什器類を書く
できる限り簡潔な表現で。凝った表現はいりません。リビングのソファやテーブル・トイレや風呂・子どもの机・ベッドなどは大きさを覚えてスラスラ書けるように、あらかじめ寸法を決めておきます。換気扇の書き方も覚えましょう。

家具・什器類もフリーハンドとテンプレートを使い分けて、やりやすい方法で書きましょう。

8 外構を書く
玄関、スロープ、駐車場などはきちんと伝わるように、タイルなどの書き方(目地の大きさなどで差をつけるなど)で工夫しましょう。タイルも最低限の表現で十分です。細かく書く必要はありません。

植栽も車も簡潔に。必要な条件がきちんと満たされているかどうかの方が大切で、立派な図面を書く必要はありません。門扉や塀も同様です。屋根も細かい線を引く必要はありません。とにかく必要最低限に、です!

9 寸法線と寸法を書く、部屋名を書く
部屋の名前は、問題文の通りに正確に書くこと。(便所とあったらトイレとは書かない)部屋名は、漏れなく書きましょう。減点されないように。

部屋名は基準線を引かずに、問題用紙の罫線に沿って、真っ直ぐに丁寧に書きましょう。



10 バリアフリーに適応した表現は覚えておく
これらは必須ですね。
・スロープ ・手すり ・玄関 ・車椅子対応のスロープや、移乗台など ・便所や浴室の手すり ほか想定されるもの表現はすべて覚えます。


11【重要】部分詳細図(矩計図)・断面図の切断面は、簡単に書ける場所を選ぶ
わざわざ大変な箇所を選ばないように、なるべく開口部が少なく、単純な構造の箇所を選びましょう。
また、平面図の切断位置と部分詳細図(矩計図)・断面図の切断面の箇所がずれないように。


12かなり重要練習中にみたことのない問題が出てきてもあわてずに、それらしく書く
これ、わたしが実際に試験で体験したことなのですが、問題の中で「バルコニー」の設置が求められました。

それまで自分が勉強してきた練習問題で、バルコニーが出てきたのは皆無だったので、書いたことがありませんでした。(※わたしの受験は2019年で、2020年度試験もバルコニーが出題されました。これからはバルコニーが必須になっていくのかも)

試験当日に、入り口で予備校がくれた「試験直前ポイント」なる冊子を始まる前に見ていたときに「バルコニー」について書いてあったのです。

その時はなんとなく見ていただけでしたが、本番では思い出すことに全神経を集中してひねり出し、「こんな感じだったかな?」と思いながらそれらしく、堂々と書きました(笑)伏図の方も同様です(大笑) 結果、合格。諦めずに、最後まで自分を信じて書ききってください。


いかがでしょうか。試してみて、もし自分に会うことがあればぜひ取り入れてみてください。うのみにせず、かならず自分用にカスタマイズしてくださいね。

〜自分のことについてご紹介〜
短大の時に、授業で課題の図面を書いただけで、仕事で設計の図面を書いたことは一度もありません。しかも、もう建築の仕事を離れて20年以上過ぎていました。そんなわたしが46歳の時に独学で二級建築士に合格しました。このブログではわたしの経験をもとに、独学勉強のコツをお伝えしていきます。


では頑張っていきましょう!!

平面図 まとめ

ムダな線は極力省き、必要な条件がきちんと満たされている図面を書きましょう。


→ 次回は、伏図や立面図ほかお伝えします。
【製図】独学 伏図ほか 書き方コツ