二級建築士【製図】 独学 勉強法






・製図の勉強ってどうやったらいいの?

・何から手をつけたらいいのか分からない…


特に製図を独学で受験する場合、勉強法について悩むのではないでしょうか。ここではそういった方へ、おすすめ勉強法について書いていきます。



それではざっくり流れを、、

  1. この試験について理解をする
  2. 参考図面を模写する
  3. 課題をする(参考書は見ても良い)
  4. (7) 答え合わせをする
  5. (8)間違えたところの復習、苦手なこと・分からないことを補修勉強する
  6. 課題をする(極力何も見ない)
  7. (というか9) 6〜8をくり返す

こんな感じです。



では解説していきます。まず最初。(シャーペンはまだ使いません)

1.この試験について理解をする

「試験についての理解って何?」そう思いますよね。でもこれ、いちばん大切なのです。試験では、回答に何を求められているのかを正しく理解しないと答えられません。

まずは、こちらの2冊の本を読んでください。必須です。

二級建築士設計製図試験 最端エスキース・コード [ 神無 修二 ]

この本を読めば、やるべきこと・重要なことがわかります。また、平面図のプランニングの決まり事なども書いてあります。しっかり理解しましょう。

次にこちら。(※最新年度版をご使用ください)
2級建築士 設計製図試験課題対策集 令和4年度版 [ 日建学院教材研究会 ]


今年の課題について、注意するべきこと、求められることなどポイントがまとめられています。特にエスキースをする際に重要な情報などしっかり覚えましょう。

●まだ読んでいないという方は、こちらの記事もぜひどうぞ
「二級建築士 【製図】 独学のテキスト おすすめ」
https://eggsblog.com/2020/09/03/nikyuseizutext/


2.参考図面を模写する

ようやくここから実際に手を動かして書いていきます。おそらく学科試験の時に、各学院から袋を頂いたかと思いますが、その中に総合資格学院の「今年の課題問題と模範解答が書いてあるリーフレット」が入っていました。わたしはそれを模写しました。

問題文を読んで、バッチリ内容を把握してから模写を始めます。なんとなく写すのではダメです。(一応確認ですが、薄い紙を上にのせて下の図面を写していくトレースではないですよ、見ながらマネをして書く模写です)

さすが模範解答です、詳細に完璧に書いてあります。大変ですが、一通り最後まできちんと書きます。模写は一度やれば充分です。何度もしてもあまり意味がありません。一回模写するのは、全体の流れやどのくらいのボリュームなのか、理解するためです。模範図面のテクニックや間取りなどは参考にしましょう。

課題図面は自分で考えて書かないと、現時点の自分の力が分かりません。解いてみて、はじめて自分に足りないものが分かります。そこで必要なことを覚えたり、練習したりして出来るようになるのです。模写で貴重な時間・労力・体力を消耗するのは得策ではありません。(トレースも同じ)

さて、模写が出来上がったら…、ここで「最端エスキース・コード」を見てみます。参考図面がめっちゃシンプルではないですか!必要最低限の線しか書いていないのです。例えば、外構計画の植栽や車の表現。屋根、ソファやベッドの表現など。とてもシンプルです。必要以外のものは書いていません。詳細に書き込んである、立派な図面でなくて良いのです。

3.いきなり、課題を始めましょう

さて課題を始めます。

その時重要なことは、1課題1課題を、めちゃくちゃ大事に取り組んでいくこと。本番の試験と同じくらいに真剣に。これが勝負を分けます。

とにかく問題文は最重要なのでしっかり読みます。製図は問題文の中に答えが書いてあるのです。大事なポイントは蛍光ペンでチェック。ただ試験と同じようにとはいえど、最初から何も見ないで書くのはあまりに無謀なので、どうしてもわからないところはテキスト(表現の仕方、書き方、寸法など)を見て調べたり確認しながらやります。
[※ただし答えは絶対に見てはダメです。]

必ず時間を計ります。それぞれがどのくらいの時間でできたかメモしておきます(エスキス〇〇分、平面図〇〇分というように)。自分なりにプランを考えて平面図を仕上げ、面積表と計画の要点等(文章)も自分の言葉で書きます。2階床伏図兼1階小屋伏図は、さすがにいきなり書くことができないので、本を見ながら順番に書きました。(ほどんどの方がそうだと思います)

「設計製図試験課題対策集(日建)」の解説は世界一わかりやすいです。部分詳細図(または矩計図)も寸法など分からないので、これも参考書などをみながら書きました。(皆さんも同じはず)

たぶん、めちゃくちゃ大変だと思います。時間もかなりかかるかもしれませんが、でもとにかくどうにか最後まで仕上げてみてください。すべてを出し切ってください。

4.それでは、答えを見てみましょう

答え合わせです。もちろん、平面図は同じになることはまずないのであまり気にせずに。模範解答と見比べます。こんなテクニックあるんだ、とか、間取り上手いな〜などなど。参考になるところがたくさんあると思います。

チェックをするのは、要求通りの部屋があるか、面積は足りているか、書き忘れているところはないかなど。間違えたところは赤ペンなどで印をつけて確認します。次回同じ間違いを繰り返さないようにしっかりチェック。

ただ何度も言いますが、表現の仕方は「最端エスキース・コード」にある、シンプルな書き方をしていくのが良いです。必要最低限で充分です。

2階床伏図兼1階小屋伏図、部分詳細図(または矩計図)、断面図、立面図も同様に、寸法、高さ、足りないところなどチェックし間違えたところを赤ペンで印をつけ確認します。

間違えたことを繰り返さないようにすること。一回の課題で得ることはとても多いのです。ここまでやってみると、少し自分が理解出来ていないところが見えてきたのではないでしょうか。

5.その部分を、次の課題に入る前に暗記したり練習したりして重点的に補っていきます。



6.次の課題も同様にやっていきましょう

できれば今度は、参考書などは何も見ないでやってみます。1回目の課題よりは出来るようになっているでしょうか。また時計で計りながらスタートです。

エスキースがスムーズにいかないなぁ。平面図は、階段ってどうに書くんだっけ?とか、トイレの手すりはどうなってたかな?とか。道は険しいですが、思い出しながら頑張って書きます。やはり伏図は難しいですし、矩計図も構造や寸法があやふや。高さがわからない…

それでもどうにか書き上げていきます。できる限り参考書は見ないでやります。今、思い出せる限りの知識を集結させて仕上げます!

7.
あー、どうにか終わった。さあ、待ちに待った(?)答え合わせの時間です。見比べてみます。これも先ほどと同じように、間違えたところなどチェックしていきます。どうですか、1回目よりも自分の苦手なところがはっきりしてきたのではないでしょうか。

8.
分からなかったことを一つ一つ解決しながら、エスキースの練習、伏図の練習、など必要に応じて苦手分野の補修をしていきます。

9.
そうしたらまた次の課題です。同じように、自分の力だけで図面を仕上げていきます。終わったら答え合わせ、間違いのチェック、復習、補習を繰り返します。

何度も言いますが、課題1回ごとに全力で取り組むことが重要です。全力で取り組むことで、その時点において自分の出来ないこと・書けないことが明確になるのです。その部分を克服していけば、全体が書けるようになっていきます。
わたしは、「設計製図試験課題対策集」には4問の課題があったので、それを一通りやったあと、同じものをもう一通りやりました。(合計8回です)


さて、ざっと解説してきました。いかがでしょうか。ぜひ試してみて、自分に合ったところ、参考になるところは取り入れてみてください。頑張っていきましょう!!

〜自分のことについてご紹介〜
46歳の時に独学で二級建築士に合格しました。短大の時に、授業で課題の図面を書いただけで、仕事で設計の図面を書いたことは一度もありません。しかも、もう建築の仕事を離れて20年以上過ぎていました。

次回から、それぞれの項目について、もう少し詳しく書いていきます。


製図 独学で合格するための勉強法 まとめ

ひと書き入魂!


→ 次回は時間配分についてお伝えします。
【製図】独学 時間配分について