二級建築士【製図】独学
エスキスのコツ 6コ



・エスキスがなかなかうまくまとまらない…

・エスキスに時間がかかってしまう…

・どんどんドツボにハマる(涙)


誰でも最初に悩んでしまうエスキス(平面図を書く前に考える下書きのようなもののこと)。わたしも最初はどこから手をつけていいのかわからず、途方にくれていました。エスキスは難しく、熟練の技がなければできないと思い込んでたのですね。

でもそれは違います。決まり事にそって順を追って進めれば、悩むことなく仕上げられます。知ることで考える時間がなくなります。

試験ではエスキスにかけられる時間は60分程度です。決して余裕のある時間ではありません。というより短くてあっという間に過ぎてしまいます。一番大変なのに。

しかし、逆に言えばエスキスが出来ればあとは書いていくだけです。

もう考えたり悩まなくていいように、必要なコツを解説していきます。ぜひ読んで、試してみてください。スピードが変わるはずです。以下の項目にそって進めていきます。


エスキスのコツ 6コ

1.エスキスの考え方
2.エスキスで覚えておくべきこと
3.エスキスに使う機能図
4.自分の法則をつくり、それに従って計画していく 
5.エスキスを書くときの縮尺はどうするべきか
6.エスキスで、ほかにも大切なこと

まだ読んでいない方は、こちらもぜひ読んでください。
●「二級建築士【製図】 独学のテキスト おすすめ」 
https://eggsblog.com/2020/09/03/nikyuseizutext/



1.エスキスの考え方

試験製図では、素晴らしい設計は求められていません。正確で、課題の必要条件が満たされている図面を書ければいいのです。一発アウト(失格)にならないこと、細かいミスを減らしていくことを考えて練習しましょう。

また試験本番では、どんなによい設計が出来ても、すべて書き上げていなければ一発アウト(失格)です。もし納得がいかない部分があっても、予定時間がきたらそこで切り上げて、次に取りかかるべきです。


2.エスキスで覚えておくべきこと

時間短縮にもなりますよ!

①「畳一枚分の面積が約1.65㎡(0.91×1.82)・製図用紙のマス2コ」
わたしはいつもこれを基準にして部屋の大きさを求めました。例えば「10㎡以上」という時には「10÷1.65=6.06…」なので、「6.5畳(マス7コ)より大きく」マスをとっていきます。

② 一般的な部屋の大きさ(寸法)
最近では、一般的な部屋の面積は「適宜」とされることが多くなってきたようです。
・リビング・キッチン・ダイニング・夫婦寝室・子ども部屋・浴室・洗面室・便所・多目的トイレなど、出題されることが予想できる部屋の大きさは必ず覚えておきます。マスの数も覚えておくとなお良いですね。

③ 階段の大きさ(寸法)
必ず出ますのでバッチリと。課題条件を満たす寸法(蹴上げ、踏面)の長さの「求め方」を覚えましょう。

などと言っておきながら、わたしは本番試験で、問題の条件の寸法をよく確認しなかったため階段の寸法を間違えてしまいました(!)あらかじめ覚えておいたものと違っていたのです(汗)

でも致命傷にはならず、無事合格でしたが(💦)良い子は絶対にマネしないでください。

④ 駐車場に必要なスペースの広さ・車の大きさ(駐輪場も)
建築可能範囲をとるために必要です。

⑤スロープの長さ
勾配に対する必要長さの「求め方」を覚えておけば大丈夫です。



3.エスキスに使う機能図

以下の図のようなものが機能図です。機能図を書くことによって、必要な部屋や位置関係を確認します。急がば回れということでしょうか、ドツボにはまっていかないためにも最初に書くことをおすすめします。



4.自分の法則をつくり、それに従って計画する


先ほどの機能図を見ながら書いていきます。わたしは、以下の図のような法則を作りました。

・まず敷地の中で設計可能な範囲をとる(なるべく南側は空ける)

・北側から2マス(1.82m)は居室以外の部屋ゾーン(玄関、階段室、浴室、便所など)、次の2マス(1.82m)は廊下ゾーン、一番南側は居室ゾーン(リビング、子ども室など)とする。

もちろんこの法則の通りにいかない場合もあります。北側に道路があれば、駐車場が必要となるので南側の庭は狭くなります。廊下ゾーンに階段がくるかもしれないし、納戸がくるかもしれない。南側に道路があれば、居室ゾーンに玄関が来ることがあるかもしれないですね。

基本的にはこの考えで進めるということで、あくまで臨機応変に。決めておくと迷いが少なくなります。


5.エスキスを書くときの縮尺はどうするべきか

これについてはいろいろな意見がありますねー。

わたしは 1/100でやりました。「1/200が良い、答案用紙の中に一度失敗しても消さずにもう一つ書けるから」という情報を見て、はじめは1/200でトライしてみましたが、見慣れない大きさで面積を間違えることが何度もありました。

やっていれば慣れるということですが、その練習時間がムダだなと思ったのでやめました。1/100で特に困ったことはありません。これは各自がやりやすい縮尺でよいのではないでしょうか。


6.エスキスで、ほかにも大切なこと

・ 問題文をよく読み、重要な箇所はマーキングする。

わたしは試験時間の中で、問題文を読む時間を30分とりました。エスキスの途中でも、つまずいたり迷ったりしたら何度でも問題文に戻り確認しましょう。
【最重要】答えは問題文の中にあります。

・ 1階と2階の平面で階段の位置がずれないようにする【失格です!】

・なるべく1階と2階の壁が重なるようにする → 伏図・断面図が書きやすく(簡単に)なります

・延べ面積は条件範囲を絶対に守る【失格です!】

これもわたしは危機一髪でした。試験本番の時に、エスキスが終わって面積表の計算をしたら、面積が不足していたことが発覚💦 急いで書き直ししました。このとき気付いたからよかったものの、気付いていなかったら…ぞ〜〜っとします。面積表は、エスキスが終わったらすぐ書きましょう。


いかがでしょうか。
試してみて、自分に合ったことがあれば取り入れてみてください。
わたしはなんだかんだと進めていくうちに、パズルを組み合わせていくようで楽しいと思うようになっていきました。



わたしはこの方法で、46歳の時に独学で二級建築士に合格しました。
〜自分のことについてご紹介〜
短大の時に、授業で課題の図面を書いただけで、仕事で設計の図面を書いたことは一度もありません。しかも、もう建築の仕事を離れて20年以上過ぎていました。そんなわたしでも合格できました。

やれば少しづつ前進していきます。
では頑張っていきましょう!!


エスキスのコツ まとめ

エスキスを制するものは、試験を制す!


→ 次回は、いよいよ平面図の書き方についてです!
【製図】独学 平面図 書き方 コツ